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研究プロジェクト

 ITECの研究プロジェクトは、「研究員専門領域」ページの「ITEC研究マップ・運営組織」で掲げた「未来のITECの姿」に示されるとおり、①市場、②組織、③社会という3つの柱から構成される。

 まず第1の柱である「市場」については、テクノロジーと証券市場の未来を考えることが重要となる。すなわち、近年、トレードのアルゴリズム化や高速化など、証券市場が新しいテクノロジーの登場によって大きく変革しつつある。また、「市場の番人」とされる公認会計士による会計監査においても、すでに大手監査法人を中心にAI導入が検討されつつある。このような流れの中で、市場における規制のあり方も今後大きく変わっていくことが予想されることから、この点を経済実験などを用いて分析する。

 また、第2の柱である「組織」については、テクノロジーと企業組織の未来を考えることが重要となる。すなわち、将来的にテクノロジーによって人間の労働が代替される可能性が様々な研究によって議論されているが、そのような問題は、いま現実に企業でも議論されている「働き方改革」やDX(デジタル・トランスフォーメーション)の議論とも相まって、組織のあり方を今後大きく変えていくことが予想される。この点を理論と実証の観点から分析する。

 最後に、第3の柱である「社会」については、テクノロジーと社会の未来を考えることが重要となる。すなわち、新しいテクノロジーの進展が、我々の社会の慣習や規範、倫理観に影響を及ぼす可能性を示唆する研究もあり、たとえば、自動運転がどのように社会的に受容されるのかといった「社会的受容(social acceptance)」のあり方などもまだ議論の緒についたばかりである。この点を理論的・実証的に分析する。

 なお、これら3つの柱は、当然のことながら、それぞれ独立したものではなく、緩やかにつながり、かつ相互に関連し合うものである。そして、それらの関連性の中心にあるものとして、我々は、信頼(Trust)に着目する。具体的には、組織や市場、社会におけるAIと人との協働を支え、かつ、AIと人との関係性を巡る未来社会における企業組織や経済ルールのあり方、ひいては技術と社会の対話のあり方の背後に、「信頼」という概念を見据えつつ、上記3つの柱を統合し、分析をすすめることにする。

視線運動計測機器(アイトラッカー)を用いた新たな研究プロジェクトを開始しました

eye trackingを用いた実験の様子

ITECは、関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構(RISS)との共同研究として、視線運動計測機器(アイトラッカー)を用いた新たな経営管理実験研究プロジェクト「アイトラッカーを用いた会計情報開示のあり方に関する実験研究」を立ち上げました。

本プロジェクトは、関西大学RISSが共同利用・共同研究拠点として公募・共同実施する研究プロジェクトであり、これまでITECが推進してきた人の意思決定に注目した実験社会科学研究の新たな取り組みとして位置づけられます。すでに2021年度秋学期に、ITECオムロンルームにてアイトラッカーを用いた計測プレテストを実施しました。2022年度は、人の視線運動から人の意図を読み取り、企業組織、ひいては経済社会の新しいあり方を模索することを大きな目標に、アイトラッカーを用いたオムロンルームでの経済実験を実施し、プロジェクトを本格稼働させていきます。

ITEC経営管理実験研究プロジェクト
「アイトラッカーを用いた会計情報開示のあり方に関する実験研究」
メンバー:田口聡志(商学部教授、研究代表者)、澤田雄介(商学部助教、ITECディレクター)、
小川一仁(関西大学教授、ITEC客員研究員)、鶴田まなみ(大阪大学助教、ITEC客員研究員)、
木村麻子(関西大学教授)、犬飼佳吾(明治学院大学准教授)、渡邊直樹(慶應義塾大学大学院准教授)

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