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2017年度から2019年度までの研究プロジェクト

プロジェクト1 「自動車の革新的技術の社会的インパクト」

プロジェクトマネージャー
三好 博昭 政策学部教授 / ITEC兼担研究員
プロジェクト内容
Google社のドライバーレスカーの公道実験が開始されて以降、自動走行システムに世界の注目が集まっている。日本でも、悲惨な交通事故撲滅の切り札、高齢者など交通弱者への移動手段の提供、バス・トラック運転手の人手不足と高齢化への対応等との観点から、自動運転に対する社会的関心は非常に高い。本研究は、この自動走行システムをはじめとする自動車の革新的技術の社会的インパクト、技術の社会普及を促進するための政策、新しい技術を活かす社会の仕組み等を検討する。
研究活動
 2018年度には、第16回ITSシンポジウム2018「人・社会の活動を支えるITS ~モビリティサービスによる社会の変革」(主催:特定非営利活動法人ITS Japan、同志社大学)において、兼担研究員の佐藤健哉と三好博昭が、プログラム委員長を務めると共に、ITECは共催として本シンポジウムの成功に尽力した。このシンポジウムでは、従来にも増して文理融合的な議論を重視し、この考えの下、「AIと倫理」の議論はなぜ噛み合わないのか?」、「自動運転がもたらす社会の変革」、「Mobility as a Serviceで描く都市交通」といった企画セッションを設置した。また、「体験!自動運転カーの経済価値に関する経済実験」として、シンポジウムの参加者に社会科学における「実験」を疑似体験していただいた。
 一方、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業に、東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構とITECとで共同提案を行い、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/自動運転(システムとサービスの拡張)/自動運転による交通事故低減等へのインパクトに関する研究」を受託することとなった。また、この研究の一環として行う国際連携活動は、自動走行技術の研究開発の推進に関する日独共同声明に基づく日独共同研究のうちの「社会経済インパクト評価」として位置づけられ、2019年度には第1回会合をドイツ・ベルリンで開催し、共同研究をスタートさせた。
論文
  • 紀伊雅敦・三好博昭、「次世代自動車エネルギー技術の不確実性と普及目標の達成リスクに関する研究」、ITECワーキングペーパー 17-01
  • Hiroaki Miyoshi, “Economics of Lane-Departure Prevention Technologies: Benefits Resulting from Reduced Traffic-Accident Losses and Effects of Mandatory Installation Policies”, ITS World Congress 2017, Montreal
  • Hiroaki Miyoshi, “Economic Effects of Combining Technologies in Advanced Driving Assistance Systems”, ITS World Congress 2017, Montreal
  • 佐藤 健哉・三好 博昭、「自動運転システム実現に向けた大学での取り組み~同志社大学における協調型自動運転に関する研究~」、『日本機械学会誌』第121巻第1191号、pp.28-31
  • 片岡 孝夫(早稲田大学 商学部)、「自動運転技術とボトルネック渋滞」、ITECワーキングペーパー 18-02
  • 三好博昭、佐竹光彦・飯田泰之・柳川隆編、第8章「自動運転の社会へのインパクト」、『アベノミクスの成否【日本経済政策学会叢書第1巻】』、pp.142-162、勁草書房、2019年1月
  • 三好博昭、「経済学からみた自動運転:普及政策の考え方」、公益財団法人高速道路調査会『高速道路と自動車』第62巻第1号、pp.12-15、2019年1月
  • 三好博昭、「自動運転の社会経済インパクト」、株式会社日本能率協会総合研究所『MDB 技術予測レポート』、pp. 1-12、2019年6月
  • 三好博昭、「自動運転の経済学的考察」、日本学術協力財団『学術の動向』2020 年5 月号特集「自動車の自動運転の実現と社会デザイン」
学会発表・会議報告等
  • Hiroaki Miyoshi, "Benefits of Automated Driving Systems: Traffic Accident Reduction", Socio-Economic Impact of CAD Session, 1st European Conference on Connected and Automated Driving, European Commission Charlemagne Building, Brussels, April 2017
  • 三好 博昭、「自動運転普及のための政策とその効果:事故損失削減の観点から」、ITECセミナー、同志社大学東京オフィス、2017年6月
  • 三好 博昭、「IT×公共交通の現状と未来像」、名古屋大学人間機械協奏技術コンソーシアム(HMHS)未来社会検討委員会研究会、名古屋大学ナショナルイノベーションセンター、2017年6月
  • 三好 博昭、「IoTとAIが牽引するシェアリングエコノミー」、第5回GPICシンポジウム、東京大学工学部、2017年9月
  • 三好 博昭、「自動運転の事故削減便益と普及に向けた課題」、自動車技術会第11回自動運転委員会、電設健保会館、2017年9月
  • 三好 博昭、「自動運転システムの経済的性質と普及政策」、RC24 ITSに関する研究懇談会、東京大学生産技術研究所、2017年10月
  • Hiroaki Miyoshi, and Msanobu Kii, "Macro Impact of Autonomous vehicles", Special Interest Session, ITS World Congress 2017, Montreal, November 2017
  • 三好 博昭、「自動車の技術革新と社会的インパクト」、一般社団法人粉体粉末冶金協会平成29年度秋季大会(特別講演)、京都大学百周年時計台記念館、2017年11月
  • Hiroaki Miyoshi, "Economic Benefits of Advanced Driver Assistance Systems (ADAS)" , Impact Assessment Session, 4th SIP-adus Workshop on Connected and Automated Driving Systems, Tokyo International Exchange Center, November 2017
  • 三好 博昭、「SIP-adus各領域報告:Impact Assessment(社会的影響)」、第12回日本ITS推進フォーラム、メルパルク東京、2018年2月
  • 柿本 昭人、2017年度伊丹市市民講座「人工知能が作る未来」、伊丹市立中央公民館
    講演 第2回 AIの発達がもたらすもの(2018年1月30日)
    講演 第3回 AIと人間(2018年2月20日)
  • 三好博昭、「自動運転の社会へのインパクト」、日本経済政策学会第75回(2018年)全国大会、2018年5月
  • Hiroaki Miyoshi, and Koichi Sakai, “Discussing the Impact of Automated Driving: A Serious Game”, Special Interest Session 89, ITS World Congress 2018, Copenhagen, September 2018
  • 三好博昭、「自動運転の社会経済インパクト」、自動車技術会第8回映像情報活用部門委員会、 2018年10月
  • Hiroaki Miyoshi, “Economic Analysis of Automated Driving Systems”, Impact Assessment Session, the 5th SIP-adus Workshop on Connected and Automated Driving Systems, Tokyo International Exchange Center, November 2018
  • 三好博昭、「自動運転導入の課題と社会受容性」、第4回オートモティブ・ソフウェア・フロンティア パネルディスカッション、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター、2019年2月
  • 三好博昭、「SIP-adus各領域報告:Impact Assessment(社会的影響)」、第13回日本ITS推進フォーラム、メルパルク東京、2019年2月
  • 三好博昭、「自動車の自動運転の推進と社会的課題について」、日本学術会議 学術フォーラム セッション3「完全自動運転をめぐる人文・社会科学における取組」の「自動運転の経済学的考察」、日本学術会議講堂、2019年9月
セミナー開催
開催日 タイトル 講演者(敬称略)
2017年4月20日 世界全自動化の誘惑に抗し得ない世界を前にして 同志社大学 政策学部
柿本 昭人 教授
2017年5月30日 安全で社会に受容される自動運転車を目指して 国立研究開発法人産業技術総合研究所 自動車ヒューマンファクター研究センター長
北﨑 智之 氏
2017年6月13日 自動運転普及のための政策とその効果:事故損失削減の観点から 同志社大学 政策学部
三好 博昭 教授
2017年10月12日 Connected Vehicleの現状と課題 マツダ株式会社 開発調査部 主幹
小川 伯文 氏
2018年2月13日 ITSの最新動向―次世代モビリティと事故分析 東京大学 空間情報科学研究センター
山田 晴利 特任教授
2018年2月16日 自動運転の開発の現状と課題について 日本自動車研究所 代表理事・研究所長
永井 正夫 氏
2018年2月27日 技術革新と社会変革―車の電動化、自動運転、ネットワーク化― ITS Japan 専務理事
天野 肇 氏
2018年3月16日 中国における新エネ自動車の普及政策とその効果 上海社会科学院 応用経済研究所 副研究員
孫 林 氏
2018年4月27日 ダイナミックマップの展開と国際標準化 株式会社三菱総合研究所 次世代インフラ事業本部
中條 覚 氏
2018年11月9日 大変革期にある自動車産業 公益財団法人トヨタ財団会長・元資源エネルギー庁長官・元トヨタ自動車副社長
小平 信因 氏
2019年5月17日 SIP自動運転―自動運転実現に向けた産官学連携の取組み― 内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動運転Program Director
葛巻 清吾 氏
2019年6月14日 技術の社会的受容性と倫理的受容可能性 南山大学国際教養学部
神崎 宣次 教授
2019年7月17日 人工知能のバイアス 名古屋大学大学院情報学研究科
久木田 水生 准教授
2020年1月31日 自動運転技術を活用した近未来交通社会 東京大学 生産技術研究所
大口 敬 教授
ワークショップ
2017年度に、名古屋大学未来社会創造機構と合同で、「京都でモビリティーを考える」連続ワークショップ(合計4回)を主催し、本学学部生を含む学生と今後の京都の交通の在り方等に関して議論した。この成果は、京都市主催のシンポジウム「自動運転が変える京都のまちと暮らし」で発表した。

プロジェクト2 「地域コミュニティと革新的技術」

プロジェクトマネージャー
三好 博昭 政策学部教授 / ITEC兼担研究員
プロジェクト内容
地域コミュニティは、個人と行政との間にある緩衝体として、その紐帯が、犯罪や災害から地域の安全性を高めるとともに、困難に陥った個人の孤立を緩和する機能、生活に不可欠な情報を提供す機能、伝統文化を継承する機能など、様々な機能を有している。しかしながら、都市部においては、中心商店街の衰退、単身世帯と人口移動の増加、インターネット等の普及に伴う機能集団の形成の容易化等が相俟って、個々人が切迫した困難に遭遇しない限り、地域コミュニティの重要性に気付くこともなく、また、従来地域コミュニティを支えてきた担い手も減少しているのが実態である。地方部においては、都市部に比べれば地域コミュニティの役割は人々に認識されているが、高齢化と人口減少によって、そもそも地域コミュニティの機能を維持することが困難になりつつある。このように地縁に基づく地域コミュニティは衰退の途にあるが、個人が人生の最後まで帰属できるコミュニティは地域コミュニティであり、高齢化が急速な勢いで進む中で、その有する役割を再確認し、サステナブルな形態に変化させた上で、その役割を継承していくことが重要である。本プロジェクトでは、今後の地域コミュニティの役割を確認した上で、高性能なセンサー技術や測位技術、AIをはじめとする様々なデータ処理技術、さらには自動走行システム等の革新的な技術が、地域コミュニティの機能、機能の提供形態、担い手、運営方法等をサステナブルなものにしていく上で、如何に有効活用できるのかを模索する。
研究活動
本研究は、サイバー・フィジカル連携システムの活用という観点から研究を進めることとし、2018年度・2019年度は競争的外部資金の獲得に焦点を絞った。
セミナー開催
開催日 タイトル 講演者
2018年3月2日 IoTと地域コミュニティーの融合による安心・安全な街づくりを目指して 国立研究開発法人情報通信研究機構
ソーシャルイノベーション推進研究室 室長
荘司 洋三 氏
2018年5月11日 コミュニティをデザインする 同志社大学理工学部 情報システムデザイン学科
下原 勝憲 教授
愛知大学経済学部
塩津 ゆりか 准教授
同志社大学大学院理工学研究科 博士後期課程
木村 公哉 氏

プロジェクト3 「AIと人にやさしい未来社会の構築:フューチャー・デザインによるアプローチ」

プロジェクトマネージャー
田口 聡志 商学部教授 / ITECセンター長
プロジェクト内容
 本プロジェクトでは、これまで見えていなかったヒトと技術の新たな融合のあり方が浮かび上がるような、豊かな未来社会を構築するという長期目標を実現するために、実験社会科学、トランス・サイエンス、フューチャー・デザインをキーワードに、実験のエビデンスをもとにした技術と、社会の未来型対話を支える「仕掛け」(我々はこれを「フューチャー・プラットフォーム」と呼ぶ)を開発することを目指す。
 本研究プロジェクトの特徴は大きく3つある。
 第1は、方法論として、未来志向性を有する実験社会科学に依拠する点である。実験は、現実にはまだない「未来社会」を仮想的に作り上げることで、「ヒトとヒト」や「ヒトとAI」、ひいては「ヒトとAIと仕組み」の相互作用をデータとして入手し分析できる。よって実験社会科学は、社会を大きく動かすための研究に、非常に馴染む方法論であるといえる。
 第2は、AIとヒトとの共存を「トランス・サイエンス」として捉え、未来社会における技術と社会の対話を支える新たな「仕掛け」を構築することである。
 第3は、社会実装も見据え、「フューチャー・デザイン」という新たな手法を取り入れることである。
 本プロジェクトでは、上記の3つの特徴を大切にしながら、「未来の対話のかたち、ひいては未来の社会をどのようにデザインするか」を領域横断的に検討し、絶えず社会に発信していきたいと考えている。
研究活動
 2018年度は、プロジェクト4(Fintech)等と合わせて、合計41回の経済実験を実施した。現在、その結果を分析し、海外査読ジャーナル投稿への準備を進めている。また併せて、外部資金獲得のための準備も進めている。
 さらに、論文執筆と学会報告の他にも、AIなど新しいテクノロジーの社会的受容を考える研究活動の一環として、第16回ITS (Intelligent Transport Systems) シンポジウム2018の企画セッション(パネルディスカッション)「『AIと倫理』の議論はなぜ噛み合わないのか?」において、田口がモデレータを担当すると共に、同シンポジウムの参加者を被験者とする経済実験(自動運転車の経済価値に関するセカンドプライスオークション実験)を行った。なお、経済実験の結果については、現在ワーキングペーパーとして公表する準備を進めている。
 さらに研究活動の重要なインフラ部分となる経済実験のプラットフォームについて、他大学との連携を図るべく、現在、高知工科大学フューチャーデザイン研究所、および関西大学実験経済学研究センターとの包括提携に向けて準備を進めている。
 2019年度は、科学研究費補助金(挑戦的研究(萌芽)、2019年4月~2022年3月)を獲得するとともに、学会報告2回をおこない、また、全体を展望する論文を2編公表した。
論文
  • 田口聡志、「人間とAIとが共存する未来社会のデザイン:実験社会科学、トランス・サイエンス、フューチャー・デザインの融合へ向けて」、『同志社商学』69(6)、pp.177-202、2018
  • 田口聡志、「AI時代の会計の質の変容と「フューチャー・ハザード」」、『企業会計』71(1)、pp.89-96、2018
  • 田口聡志、「AI時代の監査報酬を考える−A preliminary report−」、日本監査研究学会課題別研究部会『テクノロジーの進化と監査』第12章、pp.120-145、2018
  • Satoshi Taguchi, and Yoshio Kamijo, “Intentions behind disclosure to promote trust under short-termism: An experimental study”, Kochi University of Technology SDES (Social Design Engineering Series) No. 2018-8, pp.1-48, 2018
  • Yusuke Sawada, Yoshitaka Hirose, and Satoshi Taguchi, “An Experimental Study on Potential Whistleblowing Intentions: A Dilemma of Fairness and the Risk of Reporting”, SSRN working paper available at SSRN, pp.1-36, 2019
  • 田口聡志、「AI時代の監査報酬に係るサーベイ実験:「社会の目」を変えるには」、日本監査研究学会課題別研究部会『テクノロジーの進化と監査』第20章、pp. 221~240、2019年8月
  • 田口聡志、「AI時代の会計・監査に係る実証研究の位置づけに係る再整理:「会計に求められる新たな教養」を見据えて」、『同志社商学』71(6)、2020年3月
学会発表・会議報告等
  • K. MIWA, S. TAGUCHI, and T. Yamamoto, 第21回実験社会科学カンファレンス, “The escalation of lies: An experimental study of the repeated deception game”, 関西大学, 2017年10月22日
  • K. FUJIYAMA, K. MIWA, and S. TAGUCHI, The 18th Annual Conference of the Asian Academic Accounting Association, “An experimental study of the effect of accounting transparency on impairment loss recognition”, Bali, Indonesia, November 22, 2017
  • K. MIWA, S. TAGUCHI, and T. Yamamoto, 東京経済大学現代ファイナンス研究センター第41回研究会, “An experimental study of the repeated deception game”, 東京経済大学, 2018年2月27日
  • K. MIWA, Y. MURAKAMI, A. SHIIBA, and S. TAGUCHI, 日本ディスクロージャー研究学会第3回JARDISワークショップ, “Contract Rigidity and Timeliness of Accounting Information”, 慶應義塾大学, 2018年3月3日
  • 田口聡志、「Intentions behind disclosure to promote trust under short-termism: An experimental study」、第22回実験社会科学カンファレンス、セッション「制度設計実験」、名古屋市立大学、招待講演、2018年12月23日
  • 田口聡志、「AI時代の会計・監査の危機:実験で考える」、日本公認会計士協会関西地区三会(近畿会・京滋会・兵庫会)共催研修会(IT委員会)、招待講演、2019年3月28日
  • 田口聡志、「Disclosure is a gift that encourages trust and reciprocity」、日本経営分析学会・日本ディスクロージャー研究学会第36回年次大会2019 学会賞受賞記念講演(招待)、早稲田大学早稲田キャンパス、2019年7月
  • 田口聡志、「AI監査と不正の多様性:監査人の責任に係る経済実験」、日本会計研究学会第78回全国大会、神戸国際会議場・神戸学院大学ポートアイランドキャンパス、2019年9月
雑誌記事等
田口聡志、「解題新書:人間心理に迫る!実験経済学入門」、『企業会計』69(6)、 2017年6月号
セミナー開催
開催日 タイトル 講演者
2017年8月2日 ITEC経済実験キックオフセミナー:未来を拓く実験社会科学 高知工科大学 マネジメント学部
上條 良夫 教授
三船 恒裕 准教授
同志社大学
田口 聡志 教授
2017年12月8日 フューチャー・デザイン:持続可能な社会への変革 総合地球環境学研究所
西條 辰義 特任教授
2019年3月8日 経済実験チュートリアル・セミナー 同志社大学
田口 聡志 教授
多摩大学経営情報学部
後藤 晶 専任講師
2019年5月28日 人工知能がもたらす経済・社会的影響 九州大学大学院工学研究院
馬奈木 俊介 教授
2019年10月15日 身体保守主義の可能性~トランスヒューマニズムの倫理学~ [第一部:講演]
金沢医科大学一般教育機構
本田 康二郎 准教授
[第二部:対談]
本田 康二郎 准教授
瓜生原 葉子 准教授
田口 聡志 教授
その他
同志社大学学内イベントで、寒梅館に集う司法研究科・ビジネス研究科等が、知とビジネス交流の促進を図るために主宰した「同志社大学室町祭」(2019年2月16日)にて、「未来の経済をデザインする:実験社会科学からのアプローチ」と題し講演を行った。
オムロンルーム(経済実験室)の構築と活用
  • 2017年8月2日の「ITEC経済実験キックオフセミナー:未来を拓く実験社会科学」にて、オムロンルームの経済実験機能についてお披露目した。
  • 2017年10月、学内の学部生を対象として経済実験を開始した。
  • 2018年12月13日、第16回ITSシンポジウム2018の会期中に、特別イベントとして実験体験会「体験!自動運転カーの経済価値に関する経済実験」を行い、その実験結果(自動運転車に支払っても便益に見合うと感じる価格)をシンポジウムで発表した。
  • 2019年3月8日の「経済実験チュートリアル・セミナー」にて、学内だけでなく、他大学の多くの研究者・大学院生に経済実験の手法を広く紹介した。経済実験の体験以外にも、プログラミング入門やwebクラウド実験のレクチャーを実施し、実験分析やそれを用いた共同研究を促進するための土台作りを行った。
競争的外部資金の獲得
申請 応募資金 課題名
2017年9月 全国銀行学術研究振興財団2017年度研究助成 FinTechの進展と経済制度の設計に係る実験経済学的研究(650千円)
プロジェクトメンバー
田口 聡志 (同志社大学 商学部 教授)
西條 辰義 (総合地球環境学研究所 特任教授・ブログラムディレクター)
上條 良夫 (早稲田大学 政治経済学部 教授)
小川 一仁 (関西大学 社会学部 教授)
三船 恒裕 (高知工科大学 マネジメント学部 准教授)
本田 康二郎 (金沢医科大学 一般教育機構 准教授)
廣瀬 喜貴 (大阪市立大学大学院経営学研究科 准教授)
中田 喜文 (同志社大学 政策学部 教授)
廣安 知之 (同志社大学 生命医科学部 教授)
田中 希穂 (同志社大学 免許資格課程センター 准教授)
澤田 雄介 (研究補助/同志社大学大学院商学研究科)

プロジェクト4 「Fintechの進展と新しいビジネスモデルのあり方に関する実験社会科学研究」

プロジェクトマネージャー
山本 達司 商学部教授 / ITECディレクター
プロジェクト内容
 金融危機やIT技術の発展を背景に、近年Fintechと呼ばれる IoT・ビッグデータ・ブロックチェーン・人工知能などの技術を使った革新的な金融サービスが登場している。Fintechが現在カバーする領域は決済・送金、家計管理、企業会計、資産運用、資金調達、融資、保険等多岐に渡り、さらに単なる業務のIT化を超え、資金の流れや産業構造、ひいては価値創造の手法そのものを大きく変えるような社会的インパクトをもたらしつつある。そのインパクトを予測し、技術の進展に見合う新しい経済制度やビジネスのあり方を設計することは喫緊の課題であるといえ、特に現実社会への制度・政策実装の段階では、その効果を事前に如何に予測するかが重要な鍵となる。しかしながら、既存の方法論では極めて困難が伴う。そこで本研究では、実験経済学の手法を用いて、ブロックチェーン技術や仮想通貨など新しいテクノロジーが、未来社会におけるビジネスモデルや、組織や市場における人々の信頼にどのような影響をもたらすか検討を行う。
 本研究の特徴は、方法論として、未来志向性を有する経済実験に依拠する点である。経済実験は、現実にはまだない「未来社会」を仮想的に創り上げることで、「ヒトとヒト」や「ヒトと技術」、ひいては「ヒトと技術と仕組み」の相互作用をデータとして入手し分析できる。よって、事前段階で制度の効果を測ることができ、人間心理に踏み込んだ分析が可能となる。本研究は、FinTechに関する世界でも数少ない実験経済学的研究であり、大きな社会的意義を有するといえる。
研究活動
2018年度は、基礎部分に関するサーベイを行うと共に、次年度以降の本格的な経済実験実施につながるパイロット実験を行った。2019年度は、本プロジェクトを本格的にスタートさせ、科学研究費補助金(挑戦的研究 (萌芽)、2019年4 月~2022年3月)を取得した。
論文
  • Kazunori Miwa, Satoshi Taguchi, and Tatsushi Yamamoto, “The Escalation of Lies: An Experimental Study of the Repeated Deception Game”, RIEB Discussion Paper Series No.2019-08, 2019
  • 田口聡志、「複式簿記の特質に係る行動経済学的分析:AI時代の会計利益の「危機」を巡って」、『同志社商学』71(3)、pp. 38-56、2019年11月
  • 山本達司、「ビットコインの潜在的リスク」、『同志社商学』71(5)、pp. 115-128、2020年3月
  • 坂上学、田口聡志、上枝正幸、廣瀬喜貴、「実験会計研究の未来」、『イノベーション・マネジメント』第17巻、pp. 21-37、2020年3月
学会発表・会議報告等
  • 田口聡志、「ウソのエスカレーション:実験社会科学で企業不正の根幹に迫る」、東北学院大学経営研究所第48回研究会、招待講演、2018年7月19日
  • Kazunori Miwa, Satoshi Taguchi, and Tatsushi Yamamoto, “The Escalation of Lies: An Experimental Study of the Repeated Deception Game”, 2018 American Accounting Association Annual Meeting, Concurrent Session "Audit–Trust and Deception", Gaylord National Resort & Convention Center, Washington DC, USA, August 8, 2018
  • 田口聡志、「実験会計学の新たな可能性を巡って:これまでとこれから」、日本経営分析学会・日本ディスクロージャー研究学会第36回年次大会2019 ディスクロージャー領域シンポジウム「実験会計学の未来」理事会企画セッション(招待)、早稲田大学早稲田キャンパス、2019年7月
  • Yusuke Sawada, Yoshitaka Hirose and Satoshi Taguchi, “An Experimental Study on Potential Whistleblowing Intentions: A Dilemma of Fairness and the Risk of Reporting”, Concurrent Session "Fairness and Accountability", 2019 American Accounting Association Annual Meeting, San Francisco, USA, August 2019.
  • Yusuke Sawada, Yoshitaka Hirose and Satoshi Taguchi, “An Experimental Study on Potential Whistleblowing Intentions: A Dilemma of Fairness and the Risk of Reporting”, 日本会計研究学会第78回全国大会、神戸国際会議場・神戸学院大学ポートアイランドキャンパス、2019年9月
  • 山本達司、「ビットコインとブロックチェーン―会計的側面からの検討―」、同志社会計人会冬季研修会、同志社大学、2020年2月
セミナー開催
開催日 タイトル 講演者
2019年1月9日 到来したAI時代と公認会計士業務について 石原公認会計士事務所所長
公認会計士
石原 佳和 氏
2019年5月10日 【Integration】ITECに期待すること~昭和の会計士の独り言~ GTMグループ代表
株式会社GTM総研 代表取締役社長
公認会計士・税理士
恩田 勲 氏
その他
「AI時代の新しい実務家教育」に結びつける一環として、日本公認会計士協会近畿会IT部会との連携を進め、研究成果の実務への応用のあり方や実務教育のあり方について意見交換を行っている。
プロジェクトメンバー
田口 聡志 (同志社大学 商学部 教授)
三輪 一統 (大阪大学大学院経済学研究科 講師)
恩田 学 (GTM税理士法人代表社員・税理士)
高橋 正哉 (公認会計士・税理士)
舩津 浩司 (同志社大学 法学部 教授)
山本 達司 (同志社大学 商学部 教授)
上田 雅弘 (同志社大学 商学部 教授)
内藤 徹 (同志社大学 商学部 教授)
辻村 元男 (同志社大学 商学部 教授)
澤田 雄介 (研究補助/同志社大学大学院商学研究科)
研究理念
研究プロジェクト
アーカイブ